サマリー
Bang & Olufsen のハイエンドなスピーカー群と LG の最新 OLED テレビを組み合わせたリビングシアターは、インテリア性と音響・映像のハイエンド体験を目指し設計しました。
Beolab 28 が左右を支え、Beosound Theatre がフロント・センター・プロセッシングを担い、Celestial 天井スピーカーがサラウンド拡張を実現。そして LG OLED77G4PJB が映像面を支えます。
**「インテリア性を保ちつつ、20畳リビングを映画館に変える」**という目標に、アプローチしました。
レビュー前提条件
本レビューは以下の環境を前提としています。
- 部屋サイズ:20畳リビング(約33m²)
- 建物構造:RC造マンション(鉄筋コンクリート造)
- 窓の条件:窓面積が広めのダイレクトウィンドウ仕様(ガラス反射高域の影響あり)
- 普段の用途:
- 在宅ワーク
- 作業中の音環境
- オンラインミーティング
- IoT研究・開発(アプリ連携や音声操作研究)
- 映画
- 家族での映画・ドラマ視聴
- 個人での映画鑑賞(サラウンド体験重視)
- ゲーム
- FPSでのオンライン対戦(定位感・方向感重視)
- オープンワールドでの没入体験
- 音楽鑑賞
- 来客時のBGM再生(部屋全体に広がる音)
- クラシック・ジャズなどの音楽鑑賞
- 在宅ワーク
この条件では、
- 高域反射がやや強く明るめの音像になりやすい
- 低域は壁と床でしっかり受け止められ量感が出やすい
- 広がりと迫力は出やすいが、静かな場面の繊細さも試される
技術仕様 ― 組み合わせの概要
- LG OLED77G4PJB:77インチ 4K OLED evo G4、α11 AI Processor、Dolby Vision / HDR10 / HLG、HDMI 2.1(4ポート)、webOS、Dolby Atmos対応
- Beosound Theatre:12ドライバー、800W、Dolby Atmos、HDMI eARC、壁掛け/フロアスタンド一体型デザイン
- Beolab 28(L/Rフロアスピーカー):625W/本、27Hz〜23kHz、Beam Width Control、ワイヤレス対応
- Celestial(天井スピーカー)+ BeoAmp:28Hz〜20kHz、埋込型デザイン、サラウンド/トップスピーカー用途
デザイン性 ― 統合された美観
- テレビ:壁に絵画のように馴染むギャラリーデザイン
- Theatre:TV下に配置し、フロントセンターを担う。オークやアルミ仕上げが家具のよう
- Beolab 28:左右に立ち、デザインオブジェとして存在感を放つ
- Celestial:天井に溶け込み、見えない音源として部屋全体を支配
インテリアに機材感が出ず、“家具+建築”と一体化したシアター環境を実現できたと思います。
音響体験 ― 20畳リビングでのサウンド
低域
- Beolab 28 の 27Hz まで沈む重低音と、Theatre のウーファーが連携。
- RC造の壁と床が低音をしっかり支え、映画の爆発音やゲームの銃撃も迫力満点。
中域
- セリフは Theatre のコアキシャルセンターが明瞭に再生。
- ボーカルや楽器は Beolab 28 が左右に定位し、自然な空間が生まれる。
高域
- Celestial の天井スピーカーが空間の上方向に広がりを追加。
- オーケストラや雨音の描写で「空間の高さ」を感じられる。
映像体験 ― LG OLED77G4PJB
- 明るさ:Brightness Booster Max により昼間でも視認性が高い
- 暗部表現:完全な黒が映画体験を際立たせる
- HDR:Dolby Visionで映画・ドラマの階調がリッチに
- 大画面没入:77インチの迫力で20畳でも映像が小さく感じない
サラウンド性 ― 没入感の完成形
- フロント:Theatre + Beolab 28
- 天井:Celestial(Atmosトップ)
- プロセッシング:Theatre が統合制御
- 背後感はリア Celestial が担い、映画館的な包囲感を演出
Dolby Atmos映画では、前後左右+上下の立体音響が揃い、リビングがシアター空間へ変貌します。
ゲーム体験
- FPS:方向感が明瞭で、敵の位置を正確に把握可能。低遅延で違和感なし。
- オープンワールド:広がりのある環境音が天井からも降り注ぎ、世界に没入できる。
- LG TVのHDMI 2.1対応:4K/120Hz+VRRで滑らか。
操作性・接続性
- LG webOS:アプリ・音声操作が直感的
- Theatre:HDMI eARC経由でLG TVと統合、アプリ連携もスムーズ
- Beolab 28:アプリからBeam Width調整やEQ制御
- Celestial:BeoAmp連携で安定駆動。普段は意識せず使える
強みと弱み
強み
- 圧倒的な没入感(音+映像の統合)
- インテリア性を損なわない美しい配置
- B&O機器のシームレスな接続・制御
- ゲーム/映画/音楽すべてで高水準
- 将来拡張(リア追加など)も可能
弱み
- 初期投資が非常に高額
- システムが大規模で設置施工コストがかかる
- セッティング次第で音響の良し悪しが変わりやすい
- 映像は完璧でも、音の物理迫力はシネマ専用ルームには劣る
日常使用感 ― 朝・昼・夜・深夜
- 朝:ニュース・会議用モニターとしても快適。音声もクリア。
- 昼:在宅ワーク中のBGMやYouTube配信を部屋全体に自然に。
- 夜:映画モードで真価を発揮。Dolby Vision + Atmosの本格シアター体験。
- 深夜:音量を絞ってもセリフは明瞭。近隣に配慮しながら楽しめる。
総合評価
Beolab 28 × Beosound Theatre × Celestial × LG OLED77G4PJB の組み合わせは、リビングを妥協なくシアター化する方法です。
音響・映像ともに高水準で、普段のテレビ視聴から映画館級の没入体験までカバー。
- インテリア性を重視しながらも最高峰の映像・音を求める人
- 20畳リビングで家族と映画を楽しみたい人
- ゲームや音楽も同じ空間でハイレベルに楽しみたい人
にとって、満足のいくホームシアターセットアップと言えます。
チェックリスト ― 向く人・向かない人
向く人
- インテリアを崩さずシアター体験を実現したい
- Dolby Atmosを最大限に楽しみたい
- 映画もゲームも音楽も一台で極めたい
- 長期的に投資して所有欲を満たしたい
向かない人
- コストを抑えたい
- 音質や環境を妥協したくない
- 機材を増やさずシンプルに済ませたい
- 小さな部屋で利用する(過剰スペックになる)
- 音響調整や施工に手間をかけたくない