乗り心地が良くて家族も楽しめるV12エンジン GTC4ルッソ (フェラーリ)

GTC4ルッソとは

フェラーリの自然吸気V12エンジンを搭載し、4人がゆったりと乗れる車がGTC4ルッソです。
後継モデルはFFや612スカリエッティなどがあたります。

フェラーリのこの4座モデルは不人気でしたが、FFから4WDとなり、シューティングブレーク(わかりやすくいうとワゴン)になり、非常に出来が良くなっています。見た目は好みが分かれるところですが、真横から以外はほぼフェラーリと呼べるカッコ良さがあります。

他のフェラーリモデルとの違い

フェラーリには大きく分けて、GTモデルとスポーツモデルの車がラインナップされています。

GTカーはフロントエンジンレイアウトを室内空間をより広く快適なものにしていて、通常のドライブを重視しています。
また、フラッグシップのV12エンジン搭載モデルは、特別なモデルを除いてフロントエンジンを採用しています。
これらは、フロントエンジンによる居住性の確保とマフラーが長さを取ることによって音が加工しやすいのもメリットのようです。

スポーツモデルは、いわゆるミッドシップレイアウトの車になります。よりサーキット走行を意識したモデルで、日本の過去のスーパーカーブームの名残や見た目もあり、ミッドシップレイアウトは非常に人気があります。
ただ、トランクルームの狭さや居住空間や乗り心地は期待できないので、短時間のドライブや見た目を楽しむことが重視の趣味モデルです。

GTC4ルッソは、GTモデルに分類されます。ポルトフィーノやローマと比べると、幅が広くホイールベースも長く、車高も僅かながら高いです。

インテリアは共通部分が多いですが、センターコンソール周りに余裕があり、後席が大人ものゆったり座れるほど広いです。

GTC4ルッソTとの違い

車のベースは全く同じものですが、TはエンジンがV8のターボエンジンであり、FR車となります。
エキゾースト音が独特のターボの低音なのと、FR車でステアリングが軽いのも特徴的です。
また価格もお求めやすくなってるのも特徴です。

GTC4ルッソの良い点

  • フェラーリの中で唯一大人がゆったりと4人まで乗れる
  • フェラーリの中で積載性もあり、最も実用性の高いラグジュアリーモデル
  • V12モデルは、伝統のNAエンジン音も楽しめる
  • ガラスがペアガラスを採用して、静粛性も高いが、エンジン音を取り入れる構造になっていて、ロードノイズなどを極力カットし、純粋なエキゾースト音を楽しめる
  • 車高もフェラーリの中では高く、前後のリフターで段差が気にならない
  • V12モデルは4WDなので、雪の中も走れる。

GTC4ルッソの気になる点

  • 実用性が高いモデルだが、フェラーリのこだわりとして2ドアなので、そこは実用性がややかける
  • 横幅が198cmとなり、日本で乗るには大きすぎて取り回しずらい。

競合車種、パナメーラターボSやメルセデスGT4ドアクーペ63sとの比較

ルッソTは乗り出し3,000万円を超え、ターボモデルのため、競合はパナメーラやメルセデスのGT4の最上級モデルが該当するのかなかと思われますが、この後席の居住性を持つ車はなかなか見ないです。

V12モデルとなると、近年の車でV12の自然吸気エンジンかつ、この居住性や利便性を持つモデルは存在しないため唯一無二の存在とも言えます。

競合車種と比較した時のメリット

V12モデルとTの似ているが異なるモデルがあるため、難しいのですが、競合に比べると圧倒的なリセールの良さが魅力でしょう。フェラーリというブランドは最大のメリットです。

パナメーラやGT4は、下位モデルは価格も半分以下で乗れるため、車に詳しい人にしか見分けがつかないレベルです。

また、V12モデルのエンジン音は他の車では楽しめない最高の価値の1つと言えます。

競合車種と比較した時のデメリット

デメリットは価格が高いことと言えます。V12モデルであれば乗り出し4000万円超える可能性があるため、頭1つ抜け出していると思います。

また、車の安全性能やアプリなどITを利用した技術は、メルセデスやアウディグループのポルシェの方が大きく先行していると言えます。ADASはついていますが、レーンキープアシストと呼ばれるハンドルの介入がありません。

また2018年より前のモデルでは、360度カメラやADASがついてないのもあるので、GTカーとしては2019年以降のモデルとしても大きく違いがあります。

また、シューティングブレークと呼ばれるこの形はあまり日本では好まれないというところはデメリットでしょうか。乗り心地は僅かに硬い気もしますが、ほぼ変わらずです。

ルッソTの場合は気になりませんが、ルッソV12の場合は4WDなところもあり、ステアリングは若干重いです。

GTC4ルッソのおすすめのオプション

車といえば、好みに応じてカスタマイズ可能なオプションが魅力です。
GTC4ルッソに限って言えば、天井が全面ガラスになるガラスルーフ(約200万円)、ADAS(前車追従やレーンチェンジ時の警告、サラウンドビューカメラのセットで約50〜70万円。)、AppleCarPlay(約30万円)などがあります。

またフェラーリ人気のオプションとして、エンジンの回転数を表すメーター付きのLEDカーボンステアリング(約50万円)などは鉄板と呼べるでしょう。

※オプション価格は年度などによって変わってくるため参考程度。

前期モデルのFFとの違い

全体的に車の質が上がっていて、乗り心地やADAS機能の進化が一番と言えるでしょう。
特にフェラーリは1つ前の世代は内装のベタつき問題なども起こりますし、ナビなどの世代も、ドイツ御三家に比べると1つ世代が遅れているイメージが強いため、さらに遅れている感が強いです。

しかし、ポルトフィーノやローマなど、フェラーリも新たな顧客開拓のため、GTモデルの力の入れ具合が強くなっているため、612スカリエッティからも大きな進化でしたが、FFからのGTC4ルッソの進化の度合いも大きいと呼べます。

GTC4ルッソのリセール・価値

フェラーリ自体のリセールが良いのは有名な話ですが、V12モデルはミッドシップモデルよりは悪いと言われています。ミッドシップが3年残価75%とするのであれば、V12の2シーターが3年残価65~70%程度、V12の4シーターが3年55~60%程度。
しかし、近年では環境規制の問題もあり、純粋なV12エンジンモデルはなくなるという噂があります。
事実、ランボルギーニも今後はV12エンジンモデルはハイブリット化が発表されました。

実際2021年11月現在では、フェラーリもSF90や296GTBと、ハイブリットモデルの発表が続いています。

812の後継機やGTC4ルッソの後継機はまだ発表がなく、GTC4ルッソの後継機はフェラーリ初のSUVのプロサングエとなる可能性は濃厚のようです。

恐らくV8ターボとV12エンジン両方ラインナップされるとは思いますが、ハイブリットになるかが気になる所です。
実際、ハイブリットになると静かに立ち上がるため、エンジンかけたときの高揚感などがないのは事実です。

そのため、今後はこの価値が見直されるのではないかと、常々言われています。実際市場価格も徐々に上がりつつあるようです。

リセールに絡む環境や騒音問題

今後はCO2の排出量問題だけではなく、騒音規制も厳しくなっていくため、今後のこのあたりの問題は気になる所です。
イタリア政府がEUにかけあっているという話題もあがっていますが、どうなるのか・・
実際日本のモデルでは、2017年以降に91dbの騒音規制が適用されているため、2016年より以前のモデルは97db規制のためめ音が一回り大きいです。

フェラーリでは458が最後のNAエンジンモデルとして大きく値段があがっていて、その後の後継のターボモデルの488と同水準近くまで上がってきている現実があります。

GTC4ルッソのまとめ

GTC4ルッソは、大人4人が快適にV12エンジンを楽しみめる非常に贅沢な車です。

特に、ペアガラスで静粛性を上げて、エキゾースト音を取り入れる車体作りは、若干音量は落ちますが、余計なロードノイズをカットしてくれ、最高の空間を演出してくれます。

これに開放的なガラスルーフ、ストレスを感じさせないADAS機能もついていて、おまけに雪山も登れてしまう機能性と、積載性や快適性もあります。

様々な車に乗ってきましたが、比類なき唯一無二の車といっても過言ではないです。
大きさと距離が伸びることによるリセールの影響さえ気にしなければ、これ以上の車はないと言えます。


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